MESHのイメージ

SonyのMESHにワクワク!簡単プログラミングでアイデアを形に。

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こんにちは。ウェブ解析士の佐藤佳です。
今回は、「SonyのMESHにワクワク!簡単プログラミングでアイデアを形に。」のお話です。

皆さん、Sonyが開発したMESH(メッシュ)というツールをご存知ですか?

見た目はレゴのような小さなブロックで、全部で7種類あります。
例えば、センサーで人を感知できるブロック、LEDでランプが光るブロックなどなど。

この小さなブロックを侮ることなかれ。

iPadなどにMESHのアプリをダウンロードし、やりたいことをポチポチ選択するだけで、
ちょっとしたシステムが誰でもカンタンに作れてしまう優れものなのです!

このツールは、知識ゼロでもプログラミング体験ができますし、
IoTって聞いたことはあるけれど、なんだかよく分からないものも直感的に分かります。
また、人のアイデアをどんどん形にできるし、
ITの力で何かを解決したり、ワクワクを生み出したりすることもできるのです。

私は、この小さなブロックに大きな可能性を感じ、2017年から活用を始めました。

そんなMESHが2018年9月25日、「第12回キッズデザイン賞」で
「経済産業大臣賞」(子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン クリエイティブ部門)を
受賞されたと知って、とても嬉しく思いました。おめでとうございます!!

そこで、もっといろんな人にMESHを知ってほしい!と思い、
私がどうしてMESHに興味を持ったのか、どんな活用をしているのか、魅力に感じているところ、
もっとこうなったらいいなぁ、などなどMESHについて熱く語っていきます。

ギッシリありますので、お時間があるときにどうぞ(笑)。

 

Contents

◆MESHに興味を持ったきっかけ

私は地方のIT企業に勤務しているのですが、テナントビルの上階で火災があった関係で、
みんなと小さなオフィスにギュギュっと収まって生活していた時期があります。

その仮住まいでは、男女兼用のトイレをみんなで使っていました。
ドアをあけると、洗面所とトイレの個室が1つある、そんな構造です。

ただ困ったことは、ドアを開けないと個室が空いているかが分からない、という点でした。

例えば、トイレに入っていると、誰かがバーンとドアを開けて入ってくることも多々あり、
家族のように仲の良いメンバーでも、「ごめん、入ってます・・・」と言うと、
なんとも気まずい感じでした(笑)。相手が異性だった時はなおさらです。

そんな時に開発チームが、「MESHで解決できるよ」と、悩みを解決してくれたのです。

具体的には、ボタン型のMESHを押すと、LEDのMESHランプが光る(=使用中)、
もう一度ボタンを押すとランプが消える(=空いている)というものです。

新しいもの好きの開発チームは、MESHの発売後にすぐ購入し、実験していたようですが、
私はこの時に初めてMESHのことを知り、
「身近な課題を解決できる、便利なツールがあるんだなぁ」、と思ったのでした。

 

◆MESHを使ってみようと思ったきっかけ

オフィスの移転・リニューアルで、MESHのトイレシステムはその役目を終えました。
しかし、再び会社の中で活用されるシーンがやってきます。

それが、中学校の職場体験を初めて受け入れた時で、
開発者の同期が、「MESHはどう?中学生でも、佳ちゃんでも大丈夫(笑)。」
と言ってくれたことがきっかけでした。

実は、職場体験の受け入れは、私の10年来の夢の一つでした。

というのも、入社してから電話の窓口担当を務めていたのですが、
「ITに興味のある子どもがいるので、職場体験を受け入れてもらえませんか?」という電話を、
「小さな会社なので人手も足りず、体験させてあげられるものがないので・・・」と、
断り続けていたからです。

自分が休みを取って勝手にやるのはどうだろう?そう思ったこともありますが、
私はプログラミング分からないし・・・あぁ、私にできるものってないな・・・と、
断るたびに切なくなり、自分が不甲斐なくなりました。

そんな私に機会がやってきたのです!

恐る恐るMESHをセットアップして、
ボタンが押せるMESHのアイコンを選択、ランプが光るMESHのアイコンを選択、
この二つをつなげてみたら・・・ラ、ラ、ランプが光るではありませんか!

うわーい、やったー!できた!!!ランプついたー!

思わぬ喜びが沸きあがってきて、心の中でバンザーイってやりました(笑)。
と同時に、「これなら誰でもいける!!」という手ごたえを感じました。

職場体験の一人目は、口数の少ないシャイボーイ。

あまり話してくれなかったけれど、MESHでアイデアが形になったときの笑顔が印象的で、
「すごく面白い!」と言ってくれたときは本当に嬉しかったです。

後日、ご家族や先生から「本当に職場体験が楽しかったと言ってました」と聞き、
もっともっと嬉しくなりました。
ぜひ自社のインターンシップでも活用しよう!と、会社に申請してMESHを追加で購入しました。

 

◆MESHの具体的な活用方法について

自分が作り手になるというよりも、例えば、職場体験やインターンシップなど、
子どもたちにITを身近に感じてもらう良きツールとして使っています。

主に使用しているのは、MESHの基本とも言える4つのタグ。

MESHの基本タグ写真

オレンジ色のLEDタグ:いろいろな色に光らせることができます。
水色の動き(Move)タグ:タグを振るなど、動きがあったときにアクションを起こせます。
緑色のボタン(Button)タグ:ボタンスイッチとして使えます。
エメラルド色の人感(Motion)タグ:人の動きをスイッチとして使う仕組みがつくれます。

 

★主に職場体験、インターンシップで活用

「気づきを与え、ワクワクを生み出す」というコンセプトで、
MESHを使って、システム営業と、システム開発の体験をしてもらっています。

システム開発では、誰かの思いを形にしてあげる楽しさ、自分で自由に作る楽しさ、
両方を体験してもらえるプログラムにしています。

というのも、イノベーションには2つの方法があると考えているからです。

ひとつは、誰かの課題を解決してあげるイノベーション、
もう一つは、自分がこの世界をどうしたいか、というイノベーションです。

どちらが良いとか悪いとかではなく、どっちも体験してもらって、
どう解釈するかはお任せしています。

また、この職場体験を通じて職種を理解して欲しいというよりは、
「自分は何にワクワクするのか?」「アイデアを形にするって面白いなぁ!」
そんなことに気づいてもらえたら・・・と思っています。

 

◆MESHを使っていて気が付いたこと

★デバイスの違い

当初はiPadを使っていましたが、参加希望者が多かった時や、うまくiPadが動かなかった時のため、
iPhone版のアプリや、最近ではWindows版のアプリも自分で試してみました。

すると、「なんか・・・デバイスによって作る感覚が違うなぁ」と感じました。

「これって自分だけなのかな?」
「子どもたちはどうなんだろう?」

などなど疑問と好奇心が沸いてきて、
職場体験の中でいろいろなデバイスを使い、子どもたちを観察した結果、
以下のような傾向があることが分かってきました。

iPad版のMESHイメージ
※上記はiPad版のインターフェースです

<iPad>
指で画面をタッチしながら直感的に作っていけるのが、いい意味で考えすぎず、
ふわっと想像したアイデアをどんどん形にしやすいようです。
出来上がるシステムの複雑性もiPadが一番、全体を見ながら作れる点がやりやすいようでした。

<iPhone>
いまの子どもたちにとって身近なデバイス。iPadと似たような感じではありますが、
画面の小ささから視野が狭くなり、慣れるまではロジックエラーが起きやすい。
また、画面が見づらいと作るのが面倒になるようで、複雑なシステムを追求する子は減る。

<PC(マウスやキーパッドで作る)>
実に不思議なのですが、タッチよりも作る速さが不思議と落ちる傾向にありました。
タッチだと考えるよりも先に指が動いている感じですが、マウスやキーパッドになると、
なんだか考え込んで止まっているシーンが良く見られました。
※初めて触るときにこの傾向が見られます。慣れるとPCも同じようにできそう。

 

★年代別の違い

<中学生>
まだまだ無邪気で、MESHをガンガンさわる。作り出したときの集中力がすごい。
あまり細かいことは考えず、作ってから考える感じ。

<高校生>
ちょっと大人びてきて、遠慮がちに触る子が増えて来る。
中学生ではあまり感じなかった、論理力や発想力(頭の柔らかさ)の差が出てくる。

<大学生>
無邪気に作る派もいるが、考えてから作る派が増え始める。
高校生の時よりも、論理力や発想力(頭の柔らかさ)の差がより顕著になる。

 

★作られるものの傾向

自由課題については、介護をテーマにする子どもが意外と多いと気づきました。
例えば、おばあちゃんと二世帯で住んでいて、朝起きれたかなとか、元気かなとか、
何か呼びかけたい時にMESHを使えたら・・・そんな発想をする感じです。

また、オリジナルゲームを作る、あるいは作りたいという子どもは本当に多かった!
いかに今の子どもたちにとってゲームが身近であるかを感じます。

カメラを使ったアクションは、世代を問わず人気。
また、若い子になればなるほど、「通知」機能を好んで使う傾向がみられました。

 

◆MESHの好きなところや魅力

★かわいくて親しみやすいフォルム。
MESHって、カラフルだし、かわいくないですか?なんとなくレゴに似ているところも好きです。
(小学校時代、誕生日&クリスマスプレゼントは全部レゴを買ってもらっていたレゴ好きです)

★求める結果は一つでも、プロセスが自由。
プロセスまで決まっている教材が多い中、MESHはプロセスが自由な点がとても良いと思います。
例えば、トイレの課題解決もそう。ボタンとランプを使う人もいれば、
センサーとランプを使う人もいるし、その人の感性で自由に設計できる点が非常に面白いです。

★人のアイデアが形になっていく様が見られる。
何かが出来上がっていくのを見るのって、ワクワクしませんか?
子どもたちのアイデアが形になっていく様子を隣で見ているのも楽しいです。

★その人のことが分かる。
なぜこう作ったの?と聞くと、その人の考えはもちろん、育ってきた環境も分かります。
あぁ、そんな環境で育ってきたんだなぁ、と思うと、個人の理解にもつながります。

★めちゃくちゃ簡単(笑)。
幼すぎるとか、何か事情がなければ、ほとんどの人が扱える、
とても汎用性の高いツールだと思います。

 

◆MESHがもっとこうだったらいいなぁ

★Bluetoothでサクッと繋がると嬉しい
BluetoothでMESHとデバイス(iPadやスマホ等)を接続するのですが、
ごく稀にどうやっても認識されないことがあり、実習中にそれが起こると大変焦ります。
(会社で使っている機器はいろんなものと繋がっているので、干渉しあっている可能性は大です)

★かわいい置台充電器が欲しい
MESHの充電は、1個につき、1本USBケーブルが必要なので、
展示作品用のMESHを充電するのが面倒で、展示自体をやめてしまう・・・ということも。
そのままディスプレイもできるかわいい充電器があったら、買っちゃうかもしれません(笑)。
(そもそもMESHを7個以上持つのは企業だけかと思いますが・・・)

★お値段は・・・
基本の4セットをそろえようとすると、約25,000円必要になるので、
たくさんの人たちに使ってもらうためには、少しハードルがあるように思います。
ただ、MESHにはそれだけの価値は十分あると私は思います!!
アカデミック向けのサービスなどもあると、もっと間口が広がるかもしれませんね。

 

以上、いかがでしたでしょうか?
MESHの可能性を少しでも感じてもらえたら嬉しいです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

 

▽MESH:小さな便利を形にできる、ブロック形状の電子タグ|ソニー
http://meshprj.com/jp/

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この記事を書いた人

Kei Sato
面白いと思ったモノ・コトを解析して、広く報せることに喜びと生きがいを感じる人です。ブログではウェブ解析のことや、日々の気づきを綴っています。現在は海外赴任でオレゴン州ポートランド在住。Global Business Strategic マネージャー。

2件のコメント

    1. いつもお世話になっております。コメントありがとうございます!
      IoTを難しく考えてしまうお客様がいらっしゃったら、MESHを触ってもらうと良いかもしれませんね。
      何かお力になれることがあれば、お気軽にご連絡ください!

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